中医学ってなに?[第三回]

漢方コラム

今回も前回に引き続き、中医学についてのお話です。 前回は中医学の特徴の一つである「整体観」についてお伝えしました。 次にお伝えするのは「弁証論治(べんしょうろんち)」についてです。

 

この特徴は、患者さん一人ひとりの体質や、病気の原因、 発病のプロセス(病因病機)を分析して証を決定し、 それにあった適切な治療法を選んで治療を行っていくというものです。

 

漢方薬の「個々に合う、オーダーメイドの薬」という特徴にも反映されているように、 この弁証論治は「オーダーメイド医学」と言えるでしょう。 西洋医学では「病名」を重視する傾向がありますが、 漢方医学では「症状」や「体質」を重視します。

 

そもそも漢方薬はその人の体質に合う漢方薬でないと、効果が表れません。 表面上同じ症状が観察できても、体質によって服用すべきお薬は全く異なったり、 逆に同じ薬を別の症状に使用したりします。

 

このように1人1人に対してオーダーメイドの薬を作るのが漢方です。 中医学の特徴がうまく受け継がれていますね。