邪気に対抗する生薬について

漢方コラム

今回は「邪気に対抗する生薬について」というテーマでお伝えしていきます。 皆さんは「邪気」という言葉を聞いたことはありますか? また、聞いた事のある方も、意味をご存知ですか?

 

邪気とは外的な病気の原因のことで、この邪気が人間の自然治癒力(中医学では「正気」)をはねのけてバランスが崩れてしまうと、 次第に病気になってしまいます。

 

漢方薬は、この邪気が体内に侵入して健康のバランスを崩すのを防ぎ、正常なバランスに戻す目的で利用されます。 ではどのようにして、この邪気の侵入や、身体のバランスの変化に気づけばいいのでしょうか?

 

この疑問に関して、「未病」という中医学独特の概念があります。 未病とは、病気の一歩手前の状態のことです。 これは頭痛や腹痛、もしくは、朝起きるのがしんどいなど自覚症状がある場合や、 自覚は無く、検査の結果分かる場合もあり、健康と病気の間の状態とも言えるでしょう。

 

この未病のうちに治療を開始し、病気になる前に健康体に戻すのが理想でしょう。 この全身のバランスとその乱れに注目して病因を追及していくアプローチは中医学に独特のものです。

 

これこそが、中医学の「人体をひとつの有機体」として捉える独特の考え方です。