六邪によって引き起こされる症状[寒邪]

漢方コラム

前回までの記事に引き続き、六邪によって引き起こされる症状についてお話ししていきます。 六邪とは、気候変化の特徴である六気のバランスが崩れて、 身体に悪影響を与えるように転化してしまった状態のことをいいましたね。

 

今回はこの六邪の中でも、「寒邪(かんじゃ)」についてお伝えしていきます。

 

寒邪は冬や気温の低い時期に多い外邪です。 口、鼻などの呼吸器や、皮膚などから侵入し、体内の陽気を衰えさせえるため、 寒気や手足の冷えという症状を引き起こします。

 

脾や胃に寒邪が入ってしまうと、下痢や吐き気などの症状に繋がります。

 

代表的な症状は、すでに紹介したものもありますが以下の通りです。 寒気、吐き気、下痢、腹痛、手足の冷え、頭痛、関節の痛みなど。 このような寒邪の侵入による症状を中医学では「外寒」といいます。

 

これら外邪がどのように身体に悪影響を与えるのか、実際に私達の身の回りで起こる状況を考えてみましょう。

 

例えば、風邪(ふうじゃ)で起こりやすい鼻水、鼻づまりの症状と、 寒邪による吐き気の症状が同時にみられることもあります。 これは邪気が重なっているためだと考え、風寒のかぜといいます。