六邪によって引き起こされる症状[湿邪]

漢方コラム

皆さんは梅雨などの湿気の多いじめじめした時期に、 なんとなく体調が優れない、気分が悪くなったという経験はございませんか? 身体の不調を引き起こす湿気を中医学では「湿邪(しつじゃ)」と呼びます。

 

湿邪は六邪のうちの1つで、湿気をもつ邪気です。 梅雨時や夏、湿気の多い環境であらわれる傾向があります。 「湿」は濁りと粘りの性質があり、体内に侵入すると経路や臓腑を詰まらせ、 下痢やむくみがみられるようになります。

 

代表的な症状は、 下痢、頭重感、尿が出にくい、胸のつかえ、足のむくみ、倦怠感などです。 もちろん水は人間には必要なものですが、 湿度の高すぎるところに長時間いると発汗や尿での水分排出がうまくおこなわれません。

 

この結果、湿(余分な水分)が体内に溜まって「冷え」などの色々な症状を起こすと考えられています。 冷えると、血液の循環が滞って代謝が悪くなり、 さらに汗や尿で水分をしっかり排出できません。

 

この悪循環でむくみも起こりやすくなるのですね。 体内に「湿」を溜め込まないためにも、 「湿を溜めやすい食物」を避け、「余分な水分を体外へ出してくれる食物」を積極的にとりましょう。

 

もちろん部屋の中を多湿にしないよう換気することも重要です。