「弁証論治」について理解しましょう

漢方コラム

皆さんは中医学において、どのような方法で診察、診断を行っているかご存知ですか?
中医学独特の診察方法に四診というものがあります。
四診には「望診(ぼうしん)」、「問診(もんしん)」、「聞診(ぶんしん)」、「切診(せっしん)」があり、
それぞれが長い歴史の中で進化してきた方法です。
この四診についてはまたの機会にお話しするとして、
今回はこの四診をした後に行う、総合的な分析についてお話しします。
四診によって得た患者に関する情報を総合的に分析し、
診断結果をだします。
この診断結果のことを「証(しょう)」といい、
「統一体観」などの中医学的な観点を含めて証をたてることを

弁証といいます。
一見すると同じ症状の患者でも、
この弁証において異なる証がたつこともあります。
さらに弁証した結果をもとに治療を行うことを、
「論治(ろんち)」といいます。
同じ病気に対しても、患者の症状や体質によって異なる治療を行うこともあります。

 

 

この弁証論治による診断から治療までの流れは、
「理→法→方→薬」で表されます。
理は不調の原因を調べることで、
法は弁証の結果から治療の方針を決めることです。
この後、方で実際の治療の方法を決め、
薬で漢方薬治療を行います。