生薬と料理

漢方コラム

生薬と呼ばれている原料には、スパイスとしても通用するものが多数あります。
カレー粉の中には、ショウガやウイキョウなどが含まれていますが、これらは胃腸に良い生薬としても欠かせないものです。
ウコンは肝臓に良いことで有名で、有効成分としてクルクミンを含んでいます。
ウコンはカレーの黄金色の基礎になるだけでなく、食欲を刺激する芳香もあるのが特徴です。

生薬を料理で使うことは、薬膳の料理では普遍的に行われていますが、身近な料理で挑戦することも容易です。
調理の過程では、乾燥させたショウガやナツメグなどは粉にしますが、鮮度が良い状態で使うことが大切です。
ナツメグは生薬としてはニクズクと呼ばれるもので、肉料理で使えば特有な芳香が加わって美味しくなりますが、消化を助けるためにも役立ちます。

サフランやカルダモンなどが高価で入手しにくい場合には、身近な七味唐辛子を使うこともおすすめです。
七味唐辛子の中には、生薬でも使われる原料として、陳皮や山椒も含まれています。
中華料理では五香粉を使えば、生薬としては桂皮とも呼ばれるシナモンの芳香を引き出すことができます。