意外と知らない漢方~漢方って何?~

漢方コラム

漢方は中国伝来の中医学を基礎にして、国内で独自に発展してきました。体質に合わせて生薬を使い分けることで、自然に体の治癒力を高めることができる。こうした特徴があるのも、体の一部だけでなく全体を整えることができるためで、西洋医学にはない個性を持っていることになります。

漢方の治療では、その人の体質や骨格、年齢も考慮することが重要視されてきました。八綱弁証という理論が確立されており、虚実や寒熱の分類に至るまで、詳細に調べて治法を決定します。体力が虚弱で明らかに気力が弱っている人に対しては、栄養が豊富な生薬を中心にする漢方を選択することが可能です。

体質の判定には四診という方法を使うのが伝統的で、その中には舌診という独自な技術もあります。舌の形や色を判断して、漢方の基本原理となる気血水の状態を確かめて、治法を選ぶのは漢方の特色です。その人の体質や骨格、年齢も考慮するのは、約2000年の経験則から学んでいるためですから、危険な方法は排除されてきました。

漢方の治療では、病気と健康の中間になる未病の症状を解決することも得意です。これも自然治癒力を高める方法を大前提にしているためで、体内では気血水を充実させて、病気の原因を発散させるための知恵としても受け継がれてきました。