生理前鼻炎の辛さ・原因を解説!改善策と対処法

漢方コラム

生理前に鼻が詰まり、呼吸が苦しくなる。
そんな辛い経験はありませんか。
多くの方が抱える「生理前鼻炎」は、実は女性ホルモンの変動が深く関係していると言われています。
今回は、生理前鼻炎の原因やそのメカニズムを分かりやすく解説し、具体的な改善策や対処法をご紹介します。

生理前鼻炎の原因を探る!ホルモンバランスとPMSとの関係

女性ホルモンの変動が鼻炎に及ぼす影響

生理周期における女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の変動は、鼻粘膜の血管拡張や炎症を引き起こす可能性があります。
エストロゲンは生理周期の前半に多く分泌され、鼻粘膜の血管を収縮させる働きがあります。
一方、プロゲステロンは生理周期の後期に増加し、血管拡張作用を持つため、鼻粘膜が腫れやすくなり、鼻づまりなどの症状が現れやすくなります。
このホルモンバランスの乱れが、生理前鼻炎の主要な原因の一つと考えられています。
具体的には、プロゲステロンの増加によって、鼻粘膜の血管が拡張し、むくみやすくなります。
同時に、炎症性物質の産生も増加し、鼻水や鼻詰まりといった症状を悪化させる可能性があります。
また、エストロゲンとプロゲステロンのバランスが崩れることで、自律神経のバランスも乱れ、鼻炎症状をさらに悪化させることも考えられます。

PMS症状との関連性・鼻づまり以外の症状

生理前鼻炎は、PMS(月経前症候群)の症状の一つとして現れることも多くあります。
PMSは、生理開始の数日前から数日間、身体的・精神的な様々な不調が現れる症状の総称です。
鼻づまり以外にも、頭痛、腹痛、イライラ、不安感、倦怠感、乳房の張り、肌荒れなど、様々な症状が現れます。
これらの症状は、女性ホルモンの変動によって引き起こされる脳内神経伝達物質の変化や、水分貯留、炎症反応などが関係していると考えられています。
生理前鼻炎は、PMS症状の中でも比較的多くみられる症状の一つであり、これらの症状が複雑に絡み合って、日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。
もし、鼻づまりだけでなく、他のPMS症状も同時に経験している場合は、PMSの可能性が高いと言えるでしょう。

生理前鼻炎になりやすい体質とは?

遺伝的な要因や、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎といった他のアレルギー疾患の既往歴を持つ方は、生理前鼻炎になりやすい傾向があります。
また、ストレスや睡眠不足、偏った食生活なども、ホルモンバランスの乱れを招き、生理前鼻炎を悪化させる可能性があります。
さらに、喫煙や飲酒なども、鼻粘膜の炎症を悪化させるため、生理前鼻炎の症状を重くする可能性があります。
これらの要因は、それぞれ単独で作用するだけでなく、複合的に作用して症状を悪化させる可能性もあるため、日頃から生活習慣を見直すことが重要です。

生理前鼻炎の改善策・対処法

生活習慣の見直しによる改善策

規則正しい生活習慣は、ホルモンバランスを整える上で非常に重要です。
十分な睡眠時間(7~8時間程度)を確保し、適度な運動を行うことで、自律神経のバランスを整え、ホルモンの分泌を安定させる効果が期待できます。
また、バランスの良い食事を心がけることも重要です。
特に、ビタミンやミネラルを豊富に含む野菜や果物を積極的に摂取することで、身体の抵抗力を高め、鼻炎症状の軽減に繋がります。
さらに、ストレスを溜め込まないことも大切です。
ヨガや瞑想、アロマテラピーなど、自分に合ったストレス解消法を見つけることが重要です。

薬による対処法・市販薬の選び方

症状が辛い場合は、市販の鼻炎薬の服用も有効な手段です。
市販薬には、抗ヒスタミン薬、血管収縮薬、ステロイド薬など様々な種類があり、症状に合わせて適切な薬を選ぶことが重要です。
鼻水やくしゃみが強い場合は抗ヒスタミン薬、鼻づまりが強い場合は血管収縮薬が効果的です。
ただし、市販薬を長期にわたって服用し続けると、副作用のリスクが高まるため、使用期間には注意が必要です。
また、妊娠中や授乳中の方は、薬の服用前に必ず医師または薬剤師に相談しましょう。
薬剤師に相談することで、自身の症状に合った薬を選び、安全に服用することができます。

漢方薬の活用

漢方薬の中には、生理不順やPMS症状の改善に効果があるとされているものがあります。
例えば、小林製薬の「命の母ホワイト」などは、11種類の生薬からなる女性のための漢方薬で、生理前や生理中の様々な不調の改善に役立つとされています。
ただし、漢方薬も薬であるため、服用前に医師または薬剤師に相談することが重要です。
自身の体質や症状に合った漢方薬を選択することで、より効果的に症状を改善することができます。
また、漢方薬の効果には個人差があるため、効果を実感するまでには時間がかかる場合もあります。

医師への相談の重要性

症状が改善しない場合や、日常生活に支障をきたすほど症状が強い場合は、必ず医師に相談しましょう。
医師は、症状の原因を詳しく調べ、適切な治療法を提案してくれます。
また、必要に応じて、血液検査やアレルギー検査などの検査を行うこともあります。
早期に医師に相談することで、症状の悪化を防ぎ、より早く快適な状態を取り戻すことができるでしょう。

まとめ

生理前鼻炎は、女性ホルモンの変動が深く関与する辛い症状ですが、適切な対策を講じることで症状を軽減することができます。
生活習慣の見直し、市販薬や漢方薬の活用、そして必要に応じて医師への相談を検討することで、より快適な生理期間を過ごすことが期待できます。
本記事で紹介した情報が、少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。