六邪によって引き起こされる症状[暑邪]

漢方コラム

皆さんは夏の暑い時期に体調不良になった経験はありませんか? 熱で頭が働かなくなったり、皮膚の弱い人は赤みが強くでて悪化したりします。

 

実はこれは中医学的な考えでは「暑邪(しょじゃ)」の侵入によるものです。 暑邪は六邪の1つで夏の盛りにみられます。

 

そもそも六邪とは六気と呼ばれる自然界の六種の気候変化がバランスに異常をきたした結果、 身体に悪影響を与えるようになった状態のことをいいましたね。 今回はこの六邪の1つ、「暑邪(しょじゃ)」についてお伝えします。 暑邪は熱性をもつため高熱や多汗、のどの渇きなどの症状をもたらします。

 

多汗は、津液を消耗させると同時に気も排出させる働きをもつため、 脱力感や息切れなどの症状が発生します。 暑邪が出やすい時期は同時に「湿邪(しつじゃ)」も伴うことが多い傾向があります。

 

暑邪による代表的な症状は、 高熱、顔が赤くなる、多汗、のどの乾き、息切れ、脱力感などがあります。

 

この中でも、汗のかき過ぎによって津液が流出し、 動機やめまいが起こると心のダメージにもつながります。

 

このまま症状が重くなると、不全などの重大な病気を引き起こすこともあるので注意してください。