「津液(しんえき)」についてご存知ですか?

漢方コラム

皆さんは漢方医学のもととなった中医学の基本概念についてどのくらいご存知でしょうか。
様々なお悩みに対して漢方薬をご提案させていただいておりますが、
そもそもの漢方の背景についてご理解のあるほうが納得して利用できることでしょう。

そこで中医学で重要とされている基本概念に関してお伝えします。
今回は人体を構成する「気(き)・血(けつ)・津液(しんえき)」の中でも「津液」についてお伝えします。

中医学では人体の生命活動を維持するために「気・血・津液」が存在すると考えられています。
これらは、飲食物から取り込んだ栄養分と空気とを体内であわせることで生成されます。
栄養分である「水穀の精微(すいこくのせいび)」を脾胃が取り込み、自然の清気は肺から取り込まれます。

津液はこうしてつくられたものの中で、血以外の水分を指します。
例えば、汗や涙もそうですし、よだれなども全て津液から生成されていて、
身体中をすみずまで潤わせる作用を持っています。

津液をはじめ、気や血は身体中を巡ることで各機能を支えていますが、
どれかひとつにでも不調が生じてしまうと、連鎖反応的に他にも不調が発生してしまいます。