漢方の考え方。薬と食事は同じもの、健康は食事から
心身の健康に大きく影響するものとして、食事が思い浮かぶ方は多いことでしょう。私たちの身体は食べ物からの成分でつくられているため、食を整えることが健康を保つ一番の基本となります。
現代においてはカロリーや栄養素を中心として考えていますが、漢方においてはまた違った見方をしています。
それは薬食同源、つまり薬と食は同じものという考え方です。
ここでは薬とは生薬を指し、植物性のものだけではなく、動物性・鉱物性のものも含まれます。
漢方薬を見てみますと、意外と食べ物と同じ物が多いです。風邪の初期によく使用される葛根湯(かっこんとう)の葛根とはくずの根のことです。
生姜は言うまでもないでしょう。
桂枝(けいし)はシナモンの枝の部分で、大棗(たいそう)は甘いナツメの実、さらに甘草(かんぞう)は天然の甘味料として醤油などに使われているものです。
そして東アジアの国々の中には、体を整える食材を取り入れることが自然と行われているところもあります。
つまりふつうの食材も、効能を吟味して治療に使えば薬となるし、食べ物として使えば薬膳となるのです。
漢方の考え方で見てみると、食べ物は全て薬と言えるでしょう。
そのように考えるとこれまでにはない魅力を食べ物に感じませんか?
漢方による食の捉え方はいろいろな観点であります。
具体的な内容につきましては別記事で紹介させていただきますので、そちらも参考にしていただければ幸いです。