沈黙の臓器

漢方コラム

沈黙の臓器と聞いてどの臓器かわかりますか??
答えは、肝臓です。
肝臓は実に500以上の役割を果たしている重要な臓器なのです。
なぜ、沈黙の臓器と呼ばれるのかは、肝臓は少々の障害があっても症状が表に出にくく、黄疸などが現れ初めて病気と気が付くことが多いので沈黙の臓器と呼ばれています。

肝臓の主な働きは4つあります。
「代謝」
栄養を各器官が必要とする形に変えたり、エネルギーとして作り出す働きが代謝です。肝臓は消化器官で消化された食べ物を代謝し体内で使える形にしているのです。
「貯蓄」
ブドウ糖をグリコーゲンという形で蓄えていつでも補給できるようにしています。ブドウ糖は脳の重要なエネルギー源です。また血液中の糖が増えすぎないよう余分なものは肝臓が貯蓄して血糖値を抑えています。
「解毒」
アルコールやアンモニアなどの体に有害となる物質を無毒化しています。アルコールはお酒、アンモニアは激しい運動や栄養素の代謝時に体内で発生します。また、多くの化学薬品も肝臓で代謝されます。
「胆汁の生成」
コレステロールと胆汁酸から胆汁を作り出しています。胆汁は脂質の消化、古くなった赤血球、微量金属などを排泄する役割があります。またコレステロールを胆汁の材料としていることでコレステロール濃度の調整も付随的に行っています。

健康診断で肝臓の数値が高いというお客様が来店されますが、AST(GOT)、ALT(GPT)は肝細胞の破壊された数値で、γ-GTPはたんぱく質を分解する酵素で、肝臓、腎臓、膵臓などの細胞に含まれており、これらの組織に障害が起こったり、肝・胆道系に閉塞があると、血液中に流れ出てきます。要するに、肝臓の機能が何らかの影響で低下し細胞を破壊したり機能不全となっていることが分かるのです。

4つの体にとって重要な働きをしている臓器である肝臓は我慢強く健康診断で異常があることが分かるまでは、なかなか発見しにくいのです。
しかし、肝臓は再生能力も高いので数値の異常が出てからでも、薬の投与、お食事や飲酒、ストレス緩和などを徹底することで改善していきます。

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