漢方をエキス化するメリット

漢方コラム

みなさん、エキス化された漢方薬があることをご存知ですか?

以前も申し上げましたように、
「漢方薬は苦い」というイメージが強くあり、
漢方薬自体を敬遠されていらっしゃる方たちにとっては、
エキス化された漢方薬は格段に飲みやすくなっていますのでお勧めです。

今回は漢方をエキス化するメリットについて紹介いたします。

まず、エキス製剤は品質が安定しており、
保管や携帯が手軽にできて使いやすいというメリットがあります。

一方で、粉末にする過程で精油成分など蒸発しやすい成分が飛んでしまうデメリットがあります。

また、処方に含まれる複数の生薬のうち、
ある生薬だけを増やしたり減らしたりする、
いわゆる「さじ加減」ができないというデメリットもエキス製剤にはあります。

しかし、生薬を飲む時は手間がかかることや、
何よりも煎じる時の臭いが問題になることなどのデメリットがあります。
生薬は天然の物ですので、
その産地や天候により品質に差が出るため、使う生薬の品質により漢方薬の効果にも差が出るという問題もあります。

したがって、品質の確かな生薬を用いている信頼できる漢方薬局でないと、
効くものも効かないということもあるのです。

これらの部分を取ったとしても、品質の確実な生薬を用いれば、
エキス剤より効果が高いのが一般的ですし、
エキス製剤にない漢方薬を調合できることや、
さじ加減が容易に行えてきめの細かい治療ができるなどのメリットがあります。

全体的にみて、煎じる手間ヒマや持ち運び、飲みやすさの点など、
現代人のライフスタイルには、
「漢方エキス製剤」の方が適していると思われるかもしれません。

漢方薬を飲んだことがない方でしたら、どちらのメリット、デメリットを考えた上で、ぜひ漢方薬にチャレンジしてみてくださいね。