気の巡りを促すための理気薬

漢方コラム

皆さんは漢方薬の作用について詳しくご存知でしょうか? 様々な作用を持つ漢方薬の中には気の作用に関係している「気の漢方薬」というものがあります。

 

気の漢方薬には大きく分けて3種類あり、 それぞれ気の流れを改善する理気薬、気虚を改善する補気薬、上昇した気を本来の流れに戻す降気薬です。

 

今回はこの中でも、気の流れを改善し、巡りを促してくれる理気薬についてお話しします。 理気薬は気滞による張りや痛みを改善してくれます。

 

気を通す力が穏やかなものが行気薬、強力なものが破気薬と呼ばれます。 作用は似ていますが、一般的に気の巡りが悪い場合は行気薬を用い、 気滞の症状が重い場合は破気薬を用います。

 

気は停滞すると上昇し、頭部などに溜まる性質を持っており、 気が頭部に上昇した場合には気を本来の流れに戻す降気薬を使用します。

 

また、気には推動作用があり、正常に流れている場合、 津液や血の巡りを促進してくれます。 このため瘀血や湿を改善する目的でも理気薬が用いられます。

 

代表的なものに「香蘇散(こうそさん)」というものがあります。 香蘇散は気を巡らせる作用を持ち、気鬱や頭痛を伴う風邪などに使用されます。