気虚を改善する補気薬について

漢方コラム

皆さんは「気に関する漢方薬」についてご存知でしょうか?
以前の記事で、気の動きを改善する「理気薬」についてお話ししました。
理気薬には三種類ありましたね。
おだやかに気を通してくれる行気薬と、強力に気を動かす破気薬、
そして頭などの身体の上部に溜まった気を降ろしてくれる降気薬です。

 

今回は補気薬と呼ばれる漢方薬についてお伝えします。
補気薬は、気虚という気が足りていない状態を改善してくれるもので、
不足した気を充填してくれると考えることもできます。

 

補気薬に使われる代表的な生薬は、人参(にんじん)、山薬(さんやく)、甘草(かんぞう)などがあります。
これらは五性の分類上、平性から音性に属しており、
特徴として、身体を温める作用があります。
また、五味の分類では甘味(かんみ)に属し、
脾(ひ)を補い消化を助ける作用を持ちます。
脾胃の働きを改善することで、気を補うことが見込めるんですね。

 

補気薬の代表的な漢方薬は、四君子湯(しくんしとう)や補中益気湯(ほちゅうえっきとう)などです。
症状や体質などにもよりますが、一般的には補気薬を用いる場合には
同時並行で理気薬も用いると効果的です。