「陰」と「陽」のバランスはなぜ重要なのか

漢方コラム

皆さんは「対極図」と呼ばれる、白黒の勾玉を組み合わせたようなマークを見たことはございませんか?
中医学において、対極図は「陰陽論」を表すもので、
対極に位置するはずの陰と陽が、お互いを含みあうような関係であることを表しています。
そもそも陰陽論とは、あらゆるものを陰と陽にわけ、
対立する関係とした理論です。

人体にも陰と陽があり、
その陰陽のバランスが崩れたときに病気になると考えられています。
陰と陽の関係は、両者の対立、相互制約を表しており、
この関係にあるものは、例えば上と下、表と裏、明と暗、寒と熱、男と女など挙げればきりがありません。

ではなぜ体内のこの陰陽のバランスが崩れると病気になるのでしょうか?
陰陽のどちらかが強くなったり(偏盛)、弱くなったり(偏衰)するとどうなるのでしょうか?

例えば陽盛・陰衰の場合は身体は熱っぽくなり、
陽衰・陰盛の場合は身体が冷えます。
本来であれば、陽盛・陰衰で身体の陽が強くなる前に、発刊し、
陽衰・陰盛で身体の陰が強くなる前に、汗腺を閉じます。
この調整ができないアンバランスな状態が続くと、病気に繋がってしまうのです。

また、身体の陰か陽の働きが完全に失われてしまうと、死に至ることもあります。