漢方における「気」の概念とは

漢方コラム

今回は中医学において非常に重要な概念についてお話しします。
突然ですが、皆さんは「気(き)」というものについて詳しく理解されていますか?
気は体内の臓器や表面、血脈などの広く分布しており、血や津と並んで、人体を構成する重要な要素です。
しかし、機能だけが存在し、目には見えないもののため、あまり馴染みがない方が多いのではないでしょうか。

 

人体の気は自然の清気(せいき)、水穀の精微(すいこくのせいび)、先天の精(せんてんのせい)のいずれかから生成されます。
清気とは大気中に存在する気のことで、水穀の精微とは飲食物に含まれる栄養源です。
先天の精とは生まれつきのもので、両親から受け継ぎます。

 

気の作用は大きく五つに分けられ、
「推動(すいどう)、温煦(おんく)、防御(ぼうぎょ)、固摂(こせつ)、気化(きか)」と分類されます。

 

推動作用は体内の物質を動かす作用で、温煦作用は体内を温める作用です。
防御作用は外邪の侵入を防ぎ、固摂作用は体液が漏出するのを防ぎます。
そして、気化作用は精、気、津液、血を転化させる作用のことで、

例えば、水穀の精微が気に変わるのはこの気化作用と考えることができる。