「血」に関してお悩みの方へ[活血薬]

漢方コラム

前回に引き続き、「血のトラブルにお悩みの方」に対して、
「血に関する漢方薬」をご紹介していきます。

 

今回は血の巡りをよくする「活血薬(かっけつやく)」についてお話しします。
血が滞り、流れが悪くなった状態を血瘀(けつお)といいます。
血瘀の原因はいくつか考えられ、
血の巡りをつかさどる心や肝の不調、
血に熱邪が入り込んでしまうなどにより引き起こされます。

 

血の推動(すいどう)、すなわち血を正常に動かすためには熱が必要となるため、
活血薬には温性の性質をもつものが多い傾向があります。
温性の代表的な生薬は川芎(せんきゅう)や当帰(とうき)などがあります。

 

以前にも血と気の相互関係についてお話ししましたが、
気の不調が血の不調に繋がることもあります。
さらに、身体を潤わせる津液(しんえき)が過剰になると、それが原因で血瘀になることもあります。
このような場合は、気を巡らせる「理気薬(りきやく)」や、気の温煦(おんく)作用を補う補陽薬、
余分な湿(しつ)を取り除く利湿薬を組み合わせて利用することもあります。

 

また気や血、どちらかだけ働くものだけでなく、
両方を補うものもあります。
気血双補剤(きけつそうほざい)といい、気血両虚の場合に用いられます。