「血」に関してお悩みの方へ[補血薬]

漢方コラム

「血(けつ)」の不調によって引き起こされるトラブルは様々です。
血が変調を起こすことを血病といいますが、血が生命活動維持において、
とても重要な役割を担っているため、血のトラブルはなるべく避けたいものです。
また、血と気(き)は相互的に関係があるため、
血の不調が気の不調に繋がることも珍しくなく非常にやっかいなものでもあります。

そこで、今回から三回に分けて「血に関する漢方薬」についてお伝えしていきます。
まず最初は血の不足状態である「血虚(けっきょ)」を改善する補血薬についてお話しします。
補血薬は名前からも分かるように、血を補う漢方薬です。
補血薬に代表される生薬は、熟地黄(じゅくじおう)や竜眼肉(りゅうがんにく)などがあり、
五性(ごせい)の分類では温性(おんせい)に、五味(ごみ)の分類では甘味(かんみ)に属している生薬が用いられることが多いです。
温性の生薬は血の生成に必要な熱の生じる作用があり、甘味血を生成する脾(ひ)に働きかけるため、

血の不足症状の改善が期待できます。

また、せっかく血を補っても血が身体を巡らなければ身体は正常な働きをしません。
血の流れが悪い場合は、流れをよくする活血薬が必要になります。