漢方は多彩で多様
漢方の方剤が、一剤でもいろいろな症状を解消できるのは、西洋医学とは根本的に違う方法で体を癒やすためです。
漢方で病気を治すためには、病変を局所的に攻撃するのではなく、体全体の自然治癒力を高めて対処するために、様々な不調に対応できるのです。
風邪薬として有名な葛根湯には、肩こりや腰痛にも効果があることは、原典の傷寒論にも記載されている事実です。
アメリカの風邪にも効いた話があることからも分かるように、即効性があるとされ、現代人の不調も癒せる仕組みになっています。
誰でもお馴染みな葛根湯は、2000年ほど前から使われている方剤で、生薬の構成も絶妙です。
生薬は3種類に分ける伝統があり、上薬、中薬、下薬に大別されます。
下薬の生薬には即効性があるのですが、3種類の生薬をバランス良く組み合わせて、副作用を少なくする工夫もあるのが特徴です。
気血水の不調を全面的に癒やす漢方薬を使えば、ストレスや疲労などの問題に加えて、血液不足の悩みにも対処できます。
漢方では自然治癒力を高めて、人間が生まれつきにして持っているエネルギーを大切にするのですから、不変的な力を持っています。