甘草(カンゾウ)について

漢方コラム

漢方薬に使われる生薬の一つに甘草(かんぞう)があります。

今回は甘草についてお話しします。

甘草はマメ科の多年草の植物で、さまざまな効能を持つことから漢方薬に使われることが多い生薬です。

主成分はグリチルリチンと呼ばれる独特の甘みを持つ成分です。

グリチルリチンは解毒作用やウイルス感染予防、胃の粘膜を保護し胃液の分泌を抑える効果があります。

また、甘草には体の痛みを鎮める鎮痛、痙攣を抑える鎮痙(ちんけい)などの作用もあります。

例えば胃痛、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、喉の痛みなどの症状に効果的です。

甘草を使った漢方薬には、次のような物があります。

・喉の痛みを和らげる桔梗湯(ききょうとう)・生理痛、生理不順、倦怠感、アレルギー、ニキビなどの諸症状に対応する加味逍遙散(かみしょうようさん)

・肩こり、便秘、むくみを解消する防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)

・不眠や精神的な面で効果が見られる桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)

などがあります。

このように甘草はさまざまな漢方薬に使われ、諸症状に効果が見られる生薬なのです。