漢方の歴史〜中国編〜

漢方コラム

東洋医学には大きく3つの体系があるもので、中医学、韓医学、漢方に分けることができます。
独自に発展したのは日本の場合で、島国らしい特性を上手に活用することになりました。
どの地域でも土地柄に合わせて発展することは同じで、基本的には経験の積み重ねによって、実践的な理論を確立していきました。

中国における伝統医学は大変に古いため、最初は神話の時代から始まります。
紀元前の昔には三皇と呼ばれる天子が存在したとされていますが、そのうちの一人の神農は、中国における薬学の基礎を作った人物として著名です。
伝説上の人物では黄帝も重要で、漢方の理論的な支柱となる黄帝内経に登場しています。

神話の時代が過ぎると、医聖と呼ばれる張仲景という人物が登場し、3世紀頃には傷寒雑病論という医学書を編纂しました。
後には傷寒論や金匱要略に分けられますが、その中には現在の日本でも使われている漢方薬が多数あります。
中世の時代になると、国家が中心になって和剤局方が作られ、当時の日本にも影響を与えました。
近代になると、中医学は西洋医学と調和する形で存続することになりました。