漢方薬局の健康コラム、エネルギーの流れについて

漢方コラム

漢方は、古代中国で考案された中医学をルーツとして、日本で独自に発展した医療行為です。
検査などで原因を特定して問題を除去する現代医学とは異なり、自然治癒力を引き出して身体全体の状態を良化させるということを目的としています。
この際に特に重視するのが、「気」という概念です。

漢方では、気・血・水の3つが生命活動を司るために必要な要素としており、この内の一つでも不足すると健康に支障をきたすと考えられています。
ちなみに気は根源的なエネルギーで、経絡を通路として流れているとされています。
気の流れが滞ると血や水のめぐりも悪くなり、健康を保ちにくい状態となってしまうのです。

それでは気の流れが悪くなった時にどのようにすれば良いかというと、漢方では経穴を刺激することで改善できるとしています。
経穴は気の出入り口となっている部分で、経絡に沿って身体中に分布しています。
この部分を刺激することで古い気が体外に放出される代わりに新しい気が入ってくるので、体内のエネルギーバランスが改善されて自然治癒力が引き出されることになります。

ちなみに経穴はツボとも呼ばれており、鍼や灸で刺激するのが鍼灸治療、指によりアプローチするのが指圧です。
これらは国家資格として認定されており、業務として行うためには専門の教育機関で必要な単位を取得した後に、国家試験に合格しなくてはなりません。