季節の変わり目の体調不良に効く!漢方薬で乗り切る方法
春は、冬にため込んだ老廃物を排出し、新しいエネルギーを生み出す時期です。
しかし、同時に体の不調を感じやすい時期でもあります。
この記事では、東洋医学の観点から、季節の変わり目に起こりやすい体の不調の原因を解説しします。
症状に合った漢方薬を見つける手助けになれば幸いです。
□季節の変わり目の体調不良の原因
東洋医学では、季節の変わり目は体内に大きな変化が起こりやすい時期とされ、様々な不調が現れやすいとされています。
特に春は、冬にため込んだ老廃物を排出し、新しいエネルギーを生み出す時期であり、体の不調を感じやすい時期です。
1: 春の体の変化
東洋医学では、春は「肝(かん)」に影響が出やすい時期と考えられています。
肝は体に必要不可欠な「気(き)」を巡らせ、「血(けつ)」を貯蔵し、必要に応じて調整する役割があります。
春の陽気の影響で肝気がのぼりすぎると、「気」「血」のバランスが崩れ、体のだるさやのぼせ、頭痛などを感じるようになります。
2: ストレスの影響
春は、卒業や入学、就職や転勤など、生活環境や人間関係にも変化が起きる時期です。
生活環境の大きな変化がストレスとなり、自律神経に負担をかけていることもあります。
3: 睡眠不足の影響
肝の不調による自律神経の乱れは、寝つきの悪さや眠りが浅くなる原因になります。
慢性的な睡眠不足は、昼間に眠くなったり、ぼーっとしたりなど、集中力にも影響を及ぼします。
4: 食欲不振の影響
「肝」の不調は、飲食物の消化吸収に関わる「脾(ひ)」の活動を抑制することにもつながるので、食欲減退や消化不良などが起きやすくなります。
春先の食欲不振は、梅雨や初夏を乗り切る体力も奪ってしまいます。
□漢方薬で改善できる不調とおすすめ漢方薬
季節の変わり目に起こりやすい不調には、漢方薬が効果的な場合があります。
漢方薬は、体質や症状に合わせて適切な薬を選び、体のバランスを整えることで、根本的な改善を目指します。
1: 体のだるさ、のぼせ、頭痛
「肝」の不調による体のだるさ、のぼせ、頭痛には、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)がおすすめです。
柴胡加竜骨牡蛎湯は、気を巡らせて体にこもった熱を冷まし、心を落ち着かせ、脳の興奮からくる不眠を改善します。
2: イライラ、不安、落ち込み
感情が不安定になり、イライラしたり、すぐに落ち込んだりといった自律神経の不安定には、加味逍遥散(かみしょうようさん)がおすすめです。
加味逍遥散は、肝の働きを整え、血行を促進することで、イライラや不安、落ち込みを改善します。
3: 不眠
寝つきの悪さや眠りが浅くなるなどの不眠には、酸棗仁湯(さんそうにんとう)がおすすめです。
酸棗仁湯は、心と肝の働きを調和させ、精神を安定させることで、質の高い睡眠へと導きます。
4: 食欲不振
食欲不振や消化不良には、六君子湯(りっくんしとう)がおすすめです。
六君子湯は、胃腸の働きを活発にし、消化吸収を促進することで、食欲不振を改善します。
□まとめ
季節の変わり目は、体の不調を感じやすい時期ですが、東洋医学の考え方を取り入れ、漢方薬を活用することで、体のバランスを整え、快適に過ごせるようにサポートできます。
この記事で紹介した漢方薬は、あくまで一例です。
ご自身の症状や体質に合った漢方薬を選ぶためには、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
健康的な生活を送るために、ぜひ漢方薬を試してみて下さい。