トイレが近くなる原因と対策|頻尿に効く漢方薬や養生法を紹介

漢方コラム
年齢を重ねて、健康に気を遣い、自然な方法で体の不調を改善したいと考える皆さん。
加齢による頻尿に悩んでいるけれど、病院に行くほどでもないと思ったり、薬に頼りたくないと思っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、漢方薬や養生法を通じて、頻尿の改善策を具体的に解説していきます。
 

漢方トイレが近くなる原因とは?

 
頻尿は、年齢を重ねるごとに誰にでも起こりうる症状です。
漢方では、頻尿は腎の働きが衰えることで起こると考えられています。
腎は、体の水分代謝や排泄に関わる重要な臓器です。
加齢によって腎の機能が低下すると、尿の量が増えたり、膀胱の収縮力が弱くなったりすることで、トイレが近くなる頻尿が起こりやすくなります。
頻尿の原因は、腎陽虚(じんようきょ)と腎陰虚(じんいんきょ)の2つに分けられます。
 

1: 腎陽虚

 
腎陽虚は、腎の陽気が不足し、体が冷えやすい状態です。
冷えによって膀胱の収縮力が弱まり、尿が溜まりにくくなるため、トイレが近くなる傾向があります。
 

2: 腎陰虚

 
腎陰虚は、腎の陰気が不足し、体が熱しやすい状態です。
熱によって膀胱が過敏になり、尿意を感じやすくなるため、頻繁にトイレに行きたくなります。
 

頻尿に効果的な漢方薬

 
頻尿に効果的な漢方薬には、八味地黄丸、六味地黄丸、清心蓮子飲などがあります。
それぞれの漢方薬の特徴や効果、適応症状などを詳しく解説していきます。
 

1: 八味地黄丸(はちみじおうがん)

 
八味地黄丸は、腎陽虚に効果的な漢方薬です。
体力が中等度以下で、疲れやすく、四肢が冷えやすく、尿量減少または多尿でときに口渇がある人に適しています。
下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、かゆみ、排尿困難、残尿感、夜間尿、頻尿、むくみなどの症状にも効果が期待できます。
 

2: 六味地黄丸(ろくみじおうがん)

 
六味地黄丸は、腎陰虚に効果的な漢方薬です。
体力が中等度以下で、疲れやすく、尿量減少または多尿で、ときに手足のほてり、口渇がある人に適しています。
排尿困難、残尿感、頻尿、むくみ、かゆみ、夜尿症、しびれなどの症状にも効果が期待できます。
 

3: 清心蓮子飲(せいしんれんしいん)

 
清心蓮子飲は、体力中等度以下で、胃腸が弱く、全身倦怠感があり、口や舌が乾き、尿が出しぶる人に適した漢方薬です。
 

まとめ

 
頻尿は、腎の働きが衰えることで起こる症状であり、漢方では腎陽虚と腎陰虚の2つに分けられます。
それぞれの原因別に、適切な漢方薬や養生法を取り入れることで、症状を改善することが大切です。
頻尿に効果的な漢方薬には、八味地黄丸、六味地黄丸、清心蓮子飲などがあり、ぜひ体質や症状に合わせてお選び下さい。
漢方薬と養生法を上手に生活に取り入れて、健康的な毎日を送りましょう。