低気圧での頭痛。

痛みの悩み

低気圧での頭痛

これから夏に向けて、暑い湿気が多くなるため低気圧が発生することがあります。

特に、海上で低気圧が発生し、陸地に向かって進んできます。

この時期に痛みやしびれ、体の怠さが顕著になる方が多くいらっしゃいます。
低気圧が発生すると痛みやしびれ、重怠さを強く感じるのは何でなのか?中医学の視点も加えて考えていきます。

中医学では肢体や関節に痛みやしびれ、重怠さを呈する症状を痺証と呼びます。
痺証は、体の中の弱さからくる内証のタイプ(以下内証タイプ)・気候によってくる外証のタイプ(以下外証タイプ)・先述の二つを合わせたタイプ(以下ミックスタイプ)と大きく分けると3パターンがあります。
低気圧での痛みは、外証タイプとミックスタイプです。

外証タイプ

まずは、低気圧下における体の変化を見ていきましょう。低気圧になると筋肉が影響を受けます。(高気圧での環境下でも筋肉は影響を受けます。高気圧については、また別のブログで書いていきます。)
低気圧の場合、気圧が低くなるため、周囲の気圧との差が大きくなります。これによって、関節の内部の圧力が変化するため、痛みを感じることがあります。また、気圧の急激な変化によって、筋肉の収縮がしにくくなることもあり、筋肉のこわばりや痛みを引き起こすことがあります。

筋肉は主にタンパク質と水分(体液)で構成されています。筋肉の収縮には筋肉内部の水分が重要な役割をしています。
このことから低気圧になると筋肉が収縮しずらくなることは、筋肉内部の水分になにかしらの影響があるのではないかと考えられます。

次に中医学での痺証の中で、人体に影響を与える主な因子は、風・湿・寒・燥・熱・火の6つです。
春は湿、夏は熱(暑)、秋は燥、冬は寒が一番深く関わってきます。風は、時期関係なく色々と運んできます。火は、あまり接する機会が無いかもしれません。

以上のことから低気圧による体内の水分偏在と季節毎の影響因子が低気圧の頭痛の原因となると考えます。
体深部の水を巡らすというよりも体表部の水を巡らす漢方薬がおすすめとなります。
季節毎に変わるので季節によって使い分けることも大事になってきます。

ミックスタイプ

普段から浮腫みやすいや冷えやすいといった状態があるとより外証タイプでお話しした、外部因子に影響されてしまいます。
影響されないように普段から漢方薬や運動で養生をすることと、より自分が影響を受ける因子に対応できるようにすることが大事と考えます。
漢方薬としては、水を巡らす漢方薬や気を巡らす漢方薬、温める漢方薬などを使い体質改善をしながら、外証タイプで使う漢方薬を適宜使うことがお勧めです。