秋の更年期のゆらぎ|のぼせ・冷え・乾燥を体質から考える

更年期障害

「顔はカーッと熱くなるのに、足先は冷たいまま」「夜の寝汗が増えて、のどや肌もカサカサする」。秋の入り口に、こうしたお声を伺うことが増えます。更年期のゆらぎは、ひとつの原因では説明しきれないことが多く、漢方ではのぼせ・冷え・乾燥を別々に見るのではなく、体全体のバランスとして考えていきます。

この記事では、秋にゆらぎが目立ちやすい理由と、体質のタイプの見分け方の入り口、日常でできる養生をご紹介します。

相談の場でよく伺う、3つの声

実際のお声を、表現を変えてまとめたものです。あなたの感覚に近いものはありますか。

「顔がほてるのに、足元はずっと冷たいまま」

→ 「上熱下寒」の傾向として考えられます

「夜に寝汗が出て、のどや肌がカサカサする」

→ 「陰虚」の傾向として考えられます

「気が張りつめると、胸が苦しくなってのぼせる」

→ 「気滞」の傾向として考えられます

のぼせ・乾燥・冷えは、体の「どこ」に出ているか

東洋医学では、熱が体の上に昇り、下まで届かない状態を「上熱下寒(じょうねつげかん)」と呼びます。顔や頭は熱いのに、足先や腰まわりは冷えている。そのちぐはぐさが、更年期の揺らぎのひとつの姿と考えられています。

のぼせ・乾燥・冷えが出る場所秋のゆらぎは、体の「上と下」で違って見えるのぼせ・ほてり顔が熱い・汗が出る乾燥のど・肌・髪・目足元の冷え足先・腰まわり熱がこもる冷えが残る※ 東洋医学の考え方をもとにした模式図です

のぼせ・乾燥・冷えは、同じ体の中で同時に起こることがあります

なぜ、秋にゆらぎやすいのか

秋は、夏に消耗したうるおいを取り戻したい季節です。ところが空気が乾き、体を潤す「陰(いん)」が不足しやすくなります。陰には熱をなだめる働きがあるため、足りなくなると熱が上へ昇りやすくなると考えられています。

秋にゆらぎが強まりやすい流れ夏の暑さで、うるおいを消耗汗をかく・冷房・睡眠不足で、体の水分と「陰」が減りやすい秋の乾燥が追い打ちをかける「肺」はうるおいを好む臓。乾いた空気の影響を受けやすいとされる体を潤す「陰」が足りなくなる熱をなだめる力が弱まり、熱が上へ昇りやすいと考えられるのぼせ・寝汗・足元の冷えとして現れる更年期の揺らぎに、秋の乾燥が重なりやすい

更年期のゆらぎに、秋の乾燥が重なりやすい流れ

東洋医学では、秋は「肺」の季節とされています。肺は乾燥を苦手とし、のどや鼻、肌とも深く関わると考えられているため、秋はこれらの乾きが気になりやすい時期です。

体質の3つのタイプ

ゆらぎの出方は人それぞれで、複数のタイプが重なっている方も少なくありません。ここでは代表的な3つをご紹介します。

陰虚いんきょ

  • 夜や午後にほてりが強まる
  • 口やのどが渇く・空咳
  • 寝汗・肌や髪の乾燥

うるおいが足りず、熱をなだめにくい状態

気滞きたい

  • ストレスで症状が強まる
  • 胸やわき腹の張り
  • イライラ・ため息が多い

気の巡りが滞り、熱がこもりやすい状態

上熱下寒じょうねつげかん

  • のぼせるのに足元が冷たい
  • 顔だけ汗をかく
  • 首から上と下で温度差がある

ご相談の中でも多く見られるタイプのひとつ

ご自身の感覚だけで決めつけず、舌や脈、お話の内容をあわせて見ていくことで、体質が見えてきます。同じ「のぼせ」でも、タイプによって整え方が異なることがあります。

日常でできる養生

食:白い食材でうるおいを補う

秋は「白い食材」が潤いを補うとされています。白きくらげ、山芋、豆腐、梨、れんこんなどを、温かい汁物や煮物、はちみつを加えた温かい飲み物などで取り入れるのがおすすめです。

一方で、辛いものや熱すぎるものは、熱を上へ昇らせやすいと考えられています。夜遅い食事も控えめにしましょう。

暮らし:足元は温め、顔まわりは涼しく

足首・腰まわりは靴下やレッグウォーマー、湯たんぽなどで温めましょう。のぼせが強いときも、首や顔を直接冷やしすぎず、衣服の脱ぎ着で熱をこもらせないようにすると、体の上下の差をなだめる助けになることがあります。

入浴は、ぬるめのお湯に短めがおすすめです。陰は夜の睡眠中に養われるとされているため、夜更かしを避け、就寝前は画面を見る時間を減らしましょう。

環境:加湿・重ね着・保湿で乾燥と寒暖差に備える
  • 室内の湿度は40〜60%程度を目安に。加湿器や、濡れタオルを干す方法もあります。
  • 朝晩の寒暖差に合わせて、脱ぎ着しやすい重ね着にしておきましょう。
  • 入浴後は、肌が乾ききらないうちに保湿ケアを。
心:がんばりすぎないゆとりを持つ

気が張りつめる状態が続くと、気の巡りが滞り、熱がこもりやすいと考えられています。ゆっくり息を吐く深呼吸や、好きな香りのお茶で一息つく時間を、意識して持ってみてください。

今日できる小さな一歩

  • ☐  夜は靴下を1枚重ねて、足元を温める
  • ☐  温かい白湯かお茶を、ゆっくり飲む時間をつくる
  • ☐  ほてりが出る「時間帯」と「きっかけ」を、メモしておく

メモは、体質を知る大切な手がかりになります。ご相談の際にお見せいただければ、お話がスムーズに進みます。

受診の目安と、お薬のご相談について

更年期に似た症状の陰に、別の不調が隠れていることもあります。症状が強い場合や、めまい・動悸・不正出血など気になる症状があるときは、婦人科などの受診もあわせてご検討ください。ホルモン補充療法や他のお薬で治療中の方は、自己判断で漢方や健康食品を併用し始めず、まず主治医や薬剤師にご相談ください。ご来局の際はお薬手帳をお持ちいただければ、服用中のお薬を確認しながら、飲み合わせを含めてご一緒に考えます。

漢方薬は、体質やその時々の状態に合わせて選ぶものです。ご自身の体質を知り、整えていくお手伝いをいたします。

ときわ漢方薬局へのご相談

更年期のゆらぎについての漢方相談は、事前のご予約をお願いしております。
初めての方には、体質や生活習慣について約1時間かけて丁寧にお伺いします。
ご予約のうえ、ぜひ一度お越しください。お待ちしております。

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