秋の肌と髪の乾燥

更年期障害

保湿はしているのに、肌のかさつきが戻らない。髪のつやがなくなり、抜け毛が増えた気がする。爪に縦の筋が入り、割れやすくなった。──これらはばらばらの症状に見えて、東洋医学ではひとつの背景でつながっていると考えます。「血(けつ)」の不足です。

東洋医学でいう「血」は、血液だけを指しません

漢方でいう血は、全身をめぐりながら体を養い、うるおすものと考えます。栄養を運ぶだけでなく、こころを落ち着ける働きまで含めて捉えます。

血髪つやが失われ、抜けやすくなる肌乾いてかさつきやすくなる爪割れやすく、筋が出る目乾き、かすみやすくなるこころ落ち着かず、眠りが浅くなる※ 秋は乾燥が重なるため、血の不足が表に出やすい季節です

図9:血が養うとされる場所。不足すると髪・肌・爪・目・こころに現れます

血が届く先が、髪・肌・爪・目、そしてこころです。だからこそ、血が不足すると、この五か所に同時にサインが出てきます。肌の乾燥と眠りの浅さが同時に起きているとしたら、それは偶然ではないかもしれません。

なぜ秋に、血の不足が表に出やすいのか

  • 夏の消耗──汗をかくことで、血のもとになるうるおいを使っています。
  • 乾いた空気──外側から水分が奪われ、不足がより目立ちます。
  • 月経による消耗──女性は毎月血を失います。もともと不足しやすい条件があります。
  • 目の使いすぎ──東洋医学では、目を使うことは血を消耗すると考えます。

血虚(けっきょ)のセルフチェック

あてはまるものを数えてみてください

  • 肌が乾き、粉をふくことがある
  • 髪がぱさつき、抜け毛が増えた
  • 爪が割れやすい、縦の筋が目立つ
  • 目が乾く、かすむ、疲れやすい
  • 立ちくらみ、めまいがある
  • 眠りが浅く、夢を多く見る
  • 手足がしびれることがある
  • 経血の色が薄い、量が少ない

四つ以上あてはまる方は、血の不足が背景にあるかもしれません。

外から補うことと、内から養うこと

保湿は必要です。ただ、外から塗るものは肌の表面を守るところまでで、髪や爪、目やこころにまでは届きません。届く場所が違うので、どちらかだけでは足りないことがあります。

血のもとになるものを、きちんと入れる

血は食べたものから胃腸でつくられると考えます。たんぱく質を減らしすぎる食事を続けていると、材料そのものが足りなくなります。

血を養うとされる食材

赤身肉レバー卵黒豆なつめほうれん草にんじん黒ごまぶどう

つくる力を落とさない

材料を入れても、胃腸が動いていなければつくられません。冷たいものを減らし、よく噛み、朝食を抜かない。地味ですが、ここが土台になります。

目を休ませる

画面を見る時間が長い方ほど、血を消耗しています。一時間に一度、遠くを見る。就寝前の一時間は画面を消す。この二つだけでも、消耗の速度が変わります。

更年期前後は、とくに注意したい時期です

四十代以降は、月経による消耗が積み重なるうえに、体の土台にあたる「腎」の力も変わってくる時期です。血の不足と土台の変化が重なると、乾燥だけでなく、眠りやほてり、気分の揺れとして表れることもあります。

同じ乾燥でも、血の不足なのか、うるおい(陰)の不足なのか、あるいは巡りの滞りが重なっているのかで、整える順番が変わります。ご自身の状態を見きわめるところから始めていただければと思います。

まとめ

肌・髪・爪・目・こころは、血という一本の線でつながっています。外から補うことに加えて、内から養う視点を持つと、向き合い方が変わります。秋の乾燥が毎年つらいという方は、ご予約のうえ、ぜひ一度お越しください。

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