気の乱れによる不調

漢方コラム

東洋医学の理論では、人間を構成する要素を気血水の3つに分類して、質や量によって体質や体調も分析します。
疲労感やだるさの気虚に対しては、補気を目的にして人参などの生薬を使いますが、同時に流れを良くするための理気剤として、陳皮や枳実なども使われます。

のどが詰まったり息苦しくなる気うつは、梅核気の症状に代表されるもので、漢方では半夏厚朴湯などを使って治療します。
のどに梅干しの種が詰まっているかのような不快感ですが、蘇葉で気を巡らせて、茯苓で水分代謝も高める処方です。

このような症状に対しては、類方となる漢方薬がいくつかありますから、体質に合わせて選べるのも特徴です。

のぼせや不安感などの気逆については、気の流れが逆流しているような状態で、女性の更年期に出やすい症状です。
基本的には気血両虚の状態になることも多いため、補気と補血を両方で行ないながら、理気と活血の作用も引き出す工夫が必要です。

弱ってしまった気血を両面で支えて、全てを大いに補うために、中世の和剤局方を出典とする十全大補湯が使われることもあります。