漢方でよく見る「証」とは?

漢方コラム

漢方でよく見る言葉に証というものがあります。

この証とは漢方独自の用語で、病人が示す様々な状態をいい、
大きく分けて二つの証があります。

それが「虚証」と「実証」です。

虚とは本来あるはずのものが抜けて虚ろな状態になっていることを示し、実は六淫の邪によって引き起こされる状態の事を指します。

漢方薬はいくつかの方法で証を決定して、
各自の証に合った漢方薬を調合して処方するのです。

人により証が変わってくるのはその人に備わっている元々の体質や体力、生活習慣、住居の立地などが違うことが原因になります。

証は症状として出てきた結果によるものですが、
そうした不快な症状を解消するためには、
このような元々の体質や抵抗力などを考慮に入れて漢方薬を考え選薬する必要があります。

漢方薬のメリットは西洋医学の薬とは違い、
特別な病名がなくても処方をしてもらうことが可能ということです。

病気や症状そのものを攻撃するのではなく、
体全体の状態を改善することにより、
結果として不快な症状を解消するというのが漢方の考え方になりますよ。