秋の花粉症と衛気

季節の悩み

九月に入ると、くしゃみと透明な鼻水が止まらなくなる。風邪だと思って過ごしていたら、毎年同じ時期に同じことが起きている。──それは秋の花粉症かもしれません。藤沢市内でも、境川や引地川の河川敷、空き地などにブタクサやヨモギが生えており、この時期に飛散のピークを迎えます。

春の花粉症とは、性質が違います

春(スギ・ヒノキ) 秋(ブタクサ・ヨモギ・カナムグラ)
飛散距離 数十キロ単位で遠くまで飛ぶ 数百メートル程度と、比較的近距離
飛散の時間帯 日中から夕方に多い 午前中に多いことが知られています
粒子の大きさ 比較的大きい 小さく、気管まで届きやすいとされます
出やすい症状 目のかゆみ・鼻づまり くしゃみ・透明な鼻水・のどのいがらっぽさ

秋の花粉は飛ぶ距離が短いため、発生源に近づいたときだけ症状が出ることがあります。散歩コースや通勤経路を思い返してみると、心当たりが見つかることがあります。

東洋医学では「衛気(えき)」の不足として見ます

体の表面をめぐり、外からの刺激を防いでいる気を「衛気」と呼びます。花粉、寒暖差、乾いた空気──こうしたものが体に届いてしまうのは、刺激が強いからだけでなく、防ぐ側の力が落ちているためと考えます。

衛気(えき)のバリアが充実しているとき/不足しているとき衛気が充実からだの内側外からの刺激をはね返す衛気が不足からだの内側刺激が内側まで届きやすい※ 花粉・寒暖差・乾燥などの刺激を「衛気」が防いでいると考えます

図5:衛気のバリアが充実しているときと不足しているときの違い

衛気は気の一種なので、夏に消耗していれば秋には手薄になっています。秋の花粉症が九月に集中するのは、飛散時期と衛気がもっとも不足する時期が重なっているからだとも考えられます。

鼻水の質から、体質を読み分ける

透明でサラサラ

冷えと水の滞りが背景にあることが多く、体を温めて水はけを整える方向で考えます。

粘って黄色い

熱がこもっている状態と考えます。温めるより、こもった熱をさばく方向で見ていきます。

朝だけ強く出る

夜のあいだに冷えて、朝の寒暖差で一気に出る形です。就寝時の冷えを防ぐことが手がかりになります。

今日からできる、衛気を養う工夫

  1. 首元を守る──衛気は首の後ろから入る冷えに弱いとされます。薄手のストールを一枚持ち歩いてください。
  2. 朝食を抜かない──衛気も胃腸でつくられます。朝を温かいものにすることが、そのまま防御力につながります。
  3. 発生源を避ける──秋の花粉は近距離飛散です。河川敷や草地の近くを通るコースなら、時期だけ変えてみてください。
  4. 帰宅時に鼻をすすがない──鼻うがいをする場合は、生理食塩水など刺激の少ないものを使ってください。

衛気を養うとされる食材

山いもかぼちゃしょうがねぎしそ鶏肉なつめ

毎年くり返す方は、飛散期の前から

東洋医学には「未病先防(みびょうせんぼう)」──不調が形になる前に手を打つという考え方があります。毎年同じ時期に同じ症状が出るのであれば、その前の時期から体の土台を整えておくという向き合い方ができます。

症状が出ているあいだと、出ていない時期とでは、選ぶお薬の考え方が変わります。ときわ漢方薬局では、症状の質や出かたを伺いながらご相談をお受けしています。

症状が強い場合や、呼吸が苦しいときは、耳鼻科・アレルギー科などの受診をおすすめします。漢方はそうした治療と並行してお使いいただくこともできます。

まとめ

秋の花粉症は、飛散と衛気の不足が重なる時期に起こります。首元を守り、胃腸を整えることが、そのまま防ぐ力を支えることにつながります。毎年くり返している方は、ご予約のうえ、ぜひ一度お越しください。

ときわ漢方薬局へのご相談

秋の鼻炎や花粉によるお悩みについての漢方相談は、 事前のご予約をお願いしております。
初めての方には、体質や生活習慣について約1時間かけて丁寧にお伺いします。
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